MFT(口腔筋機能療法)~トレーニングの具体例~②

前回の記事では、お口の機能トレーニング(MFT:口腔筋機能療法)の重要性についてご紹介しました。
「実際にはどのようなトレーニングをするの?」
「子どもだけでなく大人にも効果はあるの?」
という疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
MFTは歯並びの改善だけでなく、口呼吸やいびき、発音、飲み込み方の改善などさまざまな効果が期待できるトレーニングです。
今回は、歯科医院で行われる代表的なMFTトレーニングの具体例と、大人が取り組むメリットについて詳しく解説します。
MFT(口腔筋機能療法)とは?
MFTとは、舌や唇、頬などのお口周りの筋肉を正しく使えるようにするトレーニングです。
歯並びや噛み合わせは、歯だけでなく周囲の筋肉のバランスによって維持されています。
例えば、
- 舌が常に下がっている
- 口が開いている
- 飲み込む時に舌を前に押し出す
- 口呼吸をしている
といった癖があると、歯並びや噛み合わせに悪影響を与えることがあります。
MFTでは、こうした問題の根本改善を目指します。
なぜトレーニングが必要なの?

矯正治療で歯並びを整えても、原因となる舌癖や口呼吸が残っていると後戻りすることがあります。
また、
- 口呼吸
- いびき
- 睡眠の質の低下
- 発音の問題
- 食べこぼし
なども、お口の機能低下が関係している場合があります。
そのため、歯を動かす治療だけでなく、お口の使い方そのものを改善することが重要なのです。
MFTトレーニングの具体例

①スポットポジション(正しい舌の位置)
MFTの基本となるトレーニングです。
舌の先端を上の前歯の少し後ろにある膨らみ(スポット)につける練習を行います。
正しい舌の位置は、
- 上あごに舌全体が接している
- 口を閉じている
- 鼻呼吸ができている
状態です。
舌が下がっていると口呼吸や歯並び悪化の原因になります。
②ポッピング
舌全体を上あごに吸着させ、「ポンッ」と音を出して離すトレーニングです。
期待できる効果
- 舌の筋力向上
- 舌の正しい位置の習得
- 飲み込み機能の改善
矯正治療中のお子さまにもよく行われます。
③口輪筋ペットボトルトレーニング
ペットボトルに100㎖~200㎖の水を入れ蓋をして上下の唇でペットボトルを咥えるトレーニングです。
期待できる効果
- 口輪筋の強化
- 口唇閉鎖力の向上
- 口呼吸改善
常に口が開いているお子さまに有効です。
④あいうべ体操
口を大きく動かして
「あー」
「いー」
「うー」
「べー」
と発音するトレーニングです。
比較的簡単に自宅で継続できます。
期待できる効果
- 舌筋強化
- 顔面筋トレーニング
- 鼻呼吸促進
MFTは大人にも効果がある?

「MFTは子どものためのもの」と思われがちですが、大人にも有効です。
実際に当院でも成人矯正患者さんへMFTをおすすめするケースがあります。
矯正治療後の後戻り予防
成人矯正では歯並びが整っても、
- 舌で前歯を押す癖
- 口呼吸
- 異常嚥下癖
が残っていると後戻りすることがあります。
MFTは歯並びを長期間安定させるためにも重要です。
口呼吸改善
大人でも口呼吸の方は少なくありません。
口呼吸が続くと、
- 虫歯
- 歯周病
- 口臭
- 睡眠障害
のリスクが高くなります。
MFTによって鼻呼吸への改善が期待できます。
いびき・睡眠の質向上
舌の筋力低下は、睡眠中に気道が狭くなる原因の一つです。
MFTによって舌や口周りの筋肉を鍛えることで、
- いびき軽減
- 睡眠の質向上
につながる可能性があります。
飲み込みや発音の改善
年齢とともに筋力は低下します。
MFTは、
- 飲み込みづらさ
- むせやすさ
- 発音の不明瞭さ
などの改善にも役立つ場合があります。
MFTで大切なのは継続
筋トレと同じように、お口の機能トレーニングも継続が重要です。
1回や2回行っただけで劇的に改善するものではありません。
毎日数分でも続けることで、
- 正しい舌の位置
- 正しい呼吸
- 正しい飲み込み
が自然に身につくようになります。
歯科医院で定期的にチェックを受けながら取り組むことで、より高い効果が期待できます。
まとめ
MFT(口腔筋機能療法)は、歯並びだけでなく、お口本来の機能を改善するためのトレーニングです。
子どもでは、
- 歯並びの改善
- 顎の成長促進
- 口呼吸予防
が期待でき、
大人では、
- 矯正後の後戻り予防
- 口呼吸改善
- いびき対策
- 睡眠の質向上
などの効果が期待できます。
「歯並びが気になる」
「口呼吸が治らない」
「矯正治療後の後戻りが心配」
という方は、お気軽にご相談ください。






