歯磨剤の成分について
こんにちは。金沢市25歯科・矯正歯科です。
みなさんは歯磨き粉を買うとき、どんなことを重視して選んでいますか?当院に来ていただいている患者さんからも、どんな歯磨き粉を使ったら良いか分からないという質問をいただくことがあります。多種多様な歯磨き粉が売られている現代では、このようなお悩みをもつ方が多くいらっしゃると思います。そこで今回は、歯磨き粉について詳しく説明させていただきます。
歯磨き粉の正式名称は歯磨剤といいます。歯磨剤は、「化粧品」と「医薬部外品」の2つに分けられています。基本成分のみからできているものを「化粧品」といいます。また、基本成分に薬用成分が加えられているものを「医薬部外品」といいます。日本で販売されている歯磨剤のほとんどは「医薬部外品」です。ほとんどの人が毎日のハミガキの際に歯磨剤を使用することから、歯磨剤に含まれている薬用成分を上手に利用することで、虫歯や歯周病など歯科疾患の予防を効果的に行うことができます。
まず、基本成分について詳しく説明します。
清掃剤(研磨剤):歯の表面を傷つけずにプラークやステインなど、歯の表面の汚れを落とす
→ リン酸水素カルシウム,水酸化アルミニウム,無水ケイ酸,炭酸カルシウム
湿潤剤:歯磨剤に適度の湿り気と可塑性を与える
→ グリセリン,ソルビトール
発泡剤:口中に歯磨剤を拡散させ汚れを除去する
→ ラウリル酸ナトリウム
粘結剤:粉体と液体成分とを結合させ、保型性や適度の粘性を与える
→ カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸ナトリウム,カラギーナン
香味剤:爽快感と香りをつけ、歯磨剤を使いやすくする
→ サッカリンナトリウム、メントール、ミント類
保存料:変質を防ぐ
→ 安息香酸ナトリウム、パラベン類
つぎに薬効成分について説明します。
虫歯予防: フッ化物(フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム),殺菌剤(クロルヘキシジン塩類,塩化ベンゼトニウム,塩化セチルピリジニウムなど)、プラーク分解酵素(デキストラナーゼ)
歯周病予防: 殺菌剤(クロルヘキシジン塩類,塩化ベンゼトニウム,塩化セチルピリジニウム、など)、酵素(デキストラナーゼ)
歯石の予防: ポリリン酸ナトリウム,ピロリン酸ナトリウム
知覚過敏の抑制: 乳酸アルミニウム.硝酸カリウム
このように様々な成分から歯磨剤はつくられています。ご自身の歯のお悩みにあった歯磨剤を使っていただくことで、症状の緩和・改善がみられるかと思います。
自分にあった歯磨剤が分からない方や、今使っている歯磨剤で大丈夫なのか気になる方、お気軽にご相談ください。患者さんそれぞれに合った成分の歯磨剤をおすすめさせていただきます。