口腔バイオフィルム感染症

口腔バイオフィルム感染症

バイオフィルムって?

こんにちは、みなさんは「バイオフィルム」って言葉を耳にしたことはありますか?

身近なところでは、お風呂や洗面所の排水溝、キッチンの三角コーナーのヌルヌルがそれにあたります。このような粘着物(ヌルヌル)は細菌が形成する生物膜(バイオフィルム)のことを言います。

私たちのお口の中にも?!

そして、私たちの口の中にもこのような菌の塊「口腔バイオフィルム」は存在します。

口腔内のデンタルプラーク(歯垢)はバイオフィルムの典型例です。

歯を舐めた時のザラザラする感じが排水溝のヌメヌメと同じだと思うと、なおさら気持ち悪いですね。

お腹の腸内細菌に善玉菌や悪玉菌がいると聞いたことはあるかと思いますが、口腔内にも口腔内細菌がいます。そのうちの悪玉菌は、歯がある人の場合500700種類の細菌がいて、歯を磨かないでいると、細菌の数は1兆個にもなり、歯磨きした後でも1000億個は存在するそうです。

さらに「バイオフィルム」は歯の表面に細菌が集まって、時間をかけてつくられていきます。

歯磨き後8時間たったころから歯の表面に細菌が付着して仲間を増やしていきます。そこから48時間後には急速に菌が成長し、72時間後には完全なバイオフィルムとなってしまいます。

歯垢(プラーク)は歯ブラシの届きにくい箇所に発生します。発生した歯垢(プラーク)はネバネバのバイオフィルムとなって、水などでは簡単に流されず、どんどん菌を巻き込んでさらに強固なかたまりとなっていきます。

台所の三角コーナーのヌメヌメもお水で洗い流しただけでは取れないですよね。それと同じです。

さらにお口の中では歯垢は石灰化されて、すぐに歯石になります。こうなるともう歯ブラシで擦っても取れなくなります。歯石の表面はザラザラしているので、さらに細菌がたまりやすくなるという悪循環に陥ります。

そして、バイオフィルムは強力で抗生物質や免疫物質は、口内をただよっている最近には効果がありますが、バイオフィルムの中には届かず、効果を発揮することはできません。歯ブラシや洗口剤でも除去は困難です。

バイオフィルム感染症

このバイオフィルムによる感染症を口腔バイオフィルム感染症といい、虫歯・歯周病・口内炎・舌炎も口腔バイオフィルム感染症にあたります。

全身にも?

バイオフィルムを放置して歯周病が進行すると全身にも影響が出ます。

1、狭心症・心筋梗塞

2、脳梗塞

3、糖尿病

4、妊娠性歯肉炎

5、誤嚥性肺炎

6、骨粗鬆症

などの病気が発症あるいは症状の悪化が見られます。

歯周病の進行を止めるには、歯周病の細菌が喜ぶ栄養を断ち切ること。細菌は血と鉄分とタンパク質が大好物なので、歯ぐきからの出血を止めて、歯周ポケット内の歯垢、歯石、バイオフィルムを取り除くことが必要になります。

 ただ、強固なバイオフィルムができてしまうと、一般的なブラッシングでも取り除けず、歯科医院で専用器具を使って取り除いてもらうしかありません。

そこで「PMTC」(専用の器具や機械をつかって歯科医院で行う歯のクリーニング)が必要になります。

歯科医院でのメンテナスでは、お口の状態を細かくチェックした後、歯石を取り除き、PMTCでバイオフィルムを除去していきます。

しかし、歯科医院で歯と歯ぐきのクリーニングをしていても、3ヶ月もすれば、細菌たちは繁殖力が復活し、また悪さを始めてしまいます。なので、予防治療(メンテナンス)を3ヶ月を目安に欠かさず続ける事が大切になります。

もちろん、ご自分でも歯垢がつきにくい口腔内の環境を整える努力を忘れないでくださいね。